科目名 □国際関係論
担当教員   川上 耕平     
対象学年   2年   クラス   [001]  
講義室   N301教室   開講学期   前期  
曜日・時限   火1   単位区分    
授業形態     単位数    
準備事項    
備考    

講義概要/Class Outline

 講義名は「国際関係論」であるが、戦後の国際社会を規定した様々な事象を、冷戦の開始に遡りながら現代まで説明していく。
 しかし本講義では、戦後の国際政治史を時系列的に漏れなく詳述するのではなく(もちろん基本的な歴史的流れが理解できるように配慮する)、特定のトピックに限定してそれを重点的かつ多角的に論じていくスタイルをとる。特に、史料公開の進展とともに通説的な見解が徐々に訂正されている領域もあるので、できるだけ新しい学説や見方を紹介することによって、受講者の抱いている一般的な国際政治理解を相対化していければと考えている。
 大きな流れとしては、「冷戦の起源」、「冷戦の展開」、「冷戦の変容」、「新冷戦」、「冷戦の終結」、「冷戦後の世界」という六部構成をとり、戦後国際政治の中心的アクターであったアメリカの動向を主軸にみていくことになるが、そのなかで日本がどのように関わってきたのかという点も重視する。  

講義計画 /Class Structure

内容
1 序・開講にあたって
 本講義で行うスケジュールや単位修得の条件などを説明する。また、国際政治史、国際関係論に関するリーディングリストを配布し、読んでおきたい文献などを紹介する。
2 冷戦の起源—第二次大戦の終結と米ソ対立
 戦時中は同盟国であった米ソが、戦後なぜ対立するようになったのか。第二次大戦、太平洋戦争に遡って「冷戦の起源」がどこにあったのかを考える。
3 ヨーロッパにおける冷戦の展開
 「二重の封じ込め」、「招かれた帝国」といったキーワードから、主に戦後のドイツの処遇をめぐる問題やNATOの結成を中心に検討する。
4 アジアにおける冷戦の展開(1)—朝鮮戦争
 アジア冷戦の主軸は米中対立であったが、その契機となった朝鮮戦争について、ソ連側の史料公開で明らかになった最近の研究などから考える。
5 アジアにおける冷戦の展開(2)—日本:占領から講和・独立へ
 講和条約によって独立した日本に、なぜそのまま米軍基地が置かれることになったのか。「吉田ドクトリン」をキーワードに検討する。
6 アジアにおける冷戦の展開(3)—ベトナム戦争
 東南アジアにおけるドミノ化を警戒するアメリカの懸念が引き金となったベトナム戦争について検討する。
7 補論・アメリカのポピュラー文化からみた1960年代
 1960年代のアメリカで開花した、若者のカウンター・カルチャーとその影響を、Eagles の Hotel California という曲の歌詞から考える。
8 冷戦の変容(1)—キューバ危機
 核兵器が人類に及ぼすインパクトを世界に知らしめ、後に核管理の重要性を認識させることになったキューバ危機について検討する。
9 冷戦の変容(2)—中ソ対立と多極化
 一枚岩とみられていた東側陣営内部の対立や、西側同盟国フランスのゴーリズムについて検討する。
10 冷戦の変容(3)—米中和解
 米中接近について最近の研究をふまえ説明するが、この動きを理解する上で日本の動向が重要であるため、沖縄返還や日中国交回復にも言及する。
11 「新冷戦」の時代
 ソ連のアフガニスタン侵攻によって再び対立が顕著となった米ソの関係について、軍拡競争などの面から検討する。
12 冷戦の終焉
 ゴルバチョフ大統領という個人の理念が冷戦構造を変化させた過程を、東欧革命、ドイツ統一などを通じて検討する。
13 冷戦後の世界(1)—湾岸戦争
 冷戦期におけるアメリカと中東の関係を検討しながら、湾岸戦争が勃発した背景を検討する。
14 冷戦後の世界(2)—9.11テロとイラク戦争
 9.11テロ事件以降顕著となったアメリカ=「帝国」論と、グローバリゼーションの関係について考察する。
 

学習・教育目標/Class Target  基本的には歴史に関する講義であるが、年号やこまごまとした用語を暗記するのではなく、マクロな流れや構造を把握することにつとめていただきたい。  
評価基準/GradingCriteria  昨年度の傾向をみると、出席が不十分だった受講者はほとんど試験でも点数がとれず、結果的に単位を落としている。決して単位が取得しやすい講義ではないことを確認しておきたい。  
評価方法/GradingMethod  詳細は講義の冒頭で説明をするが、学期末試験、課題提出、出席点を含めて総合的に評価する。なお、出席回数が不足している場合、学期末試験の受験を認めないことがあるので注意すること。  
受講上の注意/Class Rules  講義の情報量が多いため、スケジュールどおりに進まない可能性があることも了承いただきたい。内容が多いということは、それほど簡単には単位がとれないということである。また、授業中の私語については、退室を命じるなど厳格な措置をとるので、おしゃべりを我慢できない学生の受講は勧めない。  
受講制限/Prerequisit  
関連する科目/Related Class  
教科書/Text
著者名 講義冒頭で指示する。  
著書名  
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指定図書/Assigned Books
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参考文献/Bibliography
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